2018年6月22日金曜日

麹の学校【本科】/ KOJI School   *** 中間テスト***


課題 【麹つくりの工程レポート】

      原材料〜洗い〜製麴〜出麹」までの各工程写真、テキスト、温度経過表の作成 
      +(その麹を何に使ったか、とその感想。これは任意)レポート


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原材料 編: 
  • イタリア産プディング米一升
左が今回使用したプディング米
右はいつも製麹に使用しているお米
かなり大きさが違います

今回の製麹の目的は甘酒と濁酒、
アミラーゼ優位の甘味の出る麹にしたかったので
外側を少し削ってみました。ちょっと不揃いに。
均一を目指すという点からは良くない事のように思います

  • 菱六  改良長白菌
菱六さんの菌糸が長いという
改良長白菌
             
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道具 編:  

洗い~蒸し
  • ボール / ざる
  • 和せいろ
  • 中華蒸篭の蓋
  • 蒸し布
一升用和蒸篭
中華蒸篭の蓋
(蓋に使用したまな板が蒸気で反り返ってしまったため、
やむなく中華蒸篭蓋で代用)
蒸し布
(標準蒸し布なので、蒸し後に激しくお米がくっつきます
テトロン使用が待ちきれません)

種切り~包み込み
  • キャンパス布地(1m四方)
  • 茶こし
  • スキッパ―
  • 温度計
  • 保冷温庫

キャンパス布地
かなり年季が入ってヨレヨレに。
近々帆布で置き換え予定
茶こし
種麹を濾して散布します
0.1g単位まで測れるもの

スキッパ―
種切り中に種麹を満遍なく散布できるように使用します
温度計
プローブ付きで温度および湿度が測れます

盛り~仲仕事~仕舞仕事~出麹~枯らし
  • 麹蓋
  • サーモスタット
  • 変圧器
  • ワイヤレス温度計
  • ひざ掛け
  • 保温布

麹蓋
さわら材、サイズ:
サーモスタット
電気ひざ掛けのオン/オフ温度
および高温アラームの設定に使用します
変圧器
丁度よいサイズの電気ひざ掛けが日本製のため、
やむなく変圧器を使用


ワイヤレス温度計
麹蓋2枚の温度差をチェックするために使用
ひざ掛け
盛り仕事~仕舞仕事までの保温のための必需品
保温布
ひざ掛けをさらに外側から包んで保温します

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工程 編:
工程1:浸漬/蒸し

    6月2日  4pm            米を軽く精米し、浸漬
    6月3日  5.50am       かしを見て水切り開始


大粒米なので12時間と長めに浸漬
かしを見ます
精米したせいか、ぽろぽろに
1時間半の水切り

工程2:蒸し

     6月3日 7.10am        蒸し
     6月3日 7.50am        捻りもちで蒸し具合を確認

埋け飯で一層ずつ丁寧に蒸篭にお米を入れます
お米の色が透き通ってきたなと思ったら次の層へ
軽い中華蒸篭蓋なので缶詰で重石
捻り餅
十分に浸漬したので40分の蒸しで簡単に捻れました

工程3:種切り~包み込み

    6月3日  8.00am    
  1. 蒸し布からキャンパス布の上に蒸米を移動
  2. 米が乾燥しないように注意しながら(キャンパス布で丁寧に多い、米がバラバラになりすぎないようにしながら)45℃ 程度まで米をさます
  3. 種麹を軽量。1.5kgに対して標準量約3倍の5gを使用(窓を閉め、換気扇を止め、室内で風が起こらないように注意)
  4. 米を長方形上にまとめる
  5. 茶こしで全体に種麹を散布
  6. 20秒程待ち、スキッパ―で長方形を6等分して、各区分を上下ひっくり返す
  7. 茶こしで全体に種麹を散布
  8. 20秒待ち、長方形を約2倍に拡げて、米の厚みの中間部分を外に露出させ、さらに種麹を散布。
  9. この時点で温度 30℃
  10. 米をおにぎり上にまとめる、空気がはいらないようにぎゅうぎゅう押し、なるべくコンパクトに
  11. まとめた米を湿り気のある布巾でくるみ、さらにビニール袋に入れて保冷温庫で24時間保温
  12. 保冷温庫は40℃に設定(経験上、米の温度は設定温度よりも5℃ほど低くなる)
  13. この時点で時間は8時30分
約1.5kgの米、標準の約3倍の種麹を

45℃切るまで、保湿&均一を心がけながら冷まします

で、四角く蒸米をまとめます
厚みが均等になるように

6区画に分けて、裏、表、中と
3段階に分けて種麹を散布

散布終わって温度は30℃

おにぎり状にまとめる

そのままずるっと布巾に移動して包みこみ
さらにビニール袋に

保冷温庫で24時間保温


工程4:盛り仕事

    6月4日 8.10am
  1. 保冷温͡庫から米を取り出す。なぜか袋に空気が入りパンパンに
  2. 温度 31.4℃、湿度96%
  3. 麹米を2つの麹蓋に分け、それぞれ半分の面積に寄せて厚みを出す(まだ保温が必要)
  4. 布巾をかぶせ、その上に湿らせて固く絞った晒を置く
  5. 1つの麹蓋にはサーモスタットのプローブ、もう一方の麹蓋にはワイヤレスの温度計のプローブを挿入
  6. 電気ひざ掛けで麹蓋を包み込み、さらに保温布でくるむ
  7. この時点の温度は28℃と29.3℃ @ 8.30am  (反省:もたもたして時間がかかりすぎ、温度が予定よりも低くなってしまった)
保冷温庫から出した所
何故か袋がパンパンに

このハゼ回り何パーセントというのか
白いポツポツが見える程度です。独特の香りがします
目的の温度よりも若干下がってしまいました
拡大写真

保湿のため、絞った日本手ぬぐいを布巾の上に置きます

麹蓋を電気毛布で包み、さらに保温布で包みました

工程5:仲仕事

     6月4日 12:40pm
  1. 温度 32℃と34℃
  2. 麹蓋を保温場所から取り出し、空気を供給
  3. 麹を麹蓋全体に拡げ厚みを薄くする(もうそろそろ自家発熱しだす頃)
  4. 麹蓋の上下を入れ替えて、再度電気ひざ掛けと保温布で包む
  5. 温度 31℃と32℃
そろそろ放熱する頃なので、
麹蓋全体に麹を拡げます

拡大写真


工程6:仕舞仕事
     6月4日 21:40pm
  1. 温度 36℃と37℃
  2. 麹蓋を保温場所から取り出し、空気を供給
  3. 麹蓋の上下を入れ替えて、再度電気ひざ掛けで包む(発熱しだしているので、保温布は使用しない)
  4. 温度 37℃と37℃
     6月5日  5pm
  1. サーモスタットのアラームで起床
  2. 温度 42℃と43℃
  3. 温度は上昇したが思ったよりも外側に破精ていない、菌糸により米はくっついて板状になる。
菌糸が伸びて少し米がくっつき始めています

拡大写真



工程7:出麹

     6月5日  5pm  板状の米麹を崩して、乾燥させるため花道をつけました

警報でたたき起こされて、出麹
今回は思ったより外側に破精ませんでした

拡大写真

花道


温度経過表





2018年6月21日木曜日

初、麦味噌の会

こんな事やりたいなーとずっと思っていたことの1つに「発酵ワークショップ」というのがあります。味噌だとか、濁酒だとか、お醤油だとか。
なんといっても、日本のさ(酒)、し(塩)、す(酢)、せ(醤油)、そ(味噌)、5大調味料のうち4つは発酵ベース、しかもその中の3つが麹菌がベースになっています。日本の食文化は稲に宿る麹菌が日本に生息しなかったら成り立ち得なかったといっても、全く大袈裟ではない話です。
日本が誇る麹菌の素晴らしさを体感してもらいながら、健康維持に少しでもお役に立てればいいなーと。漠然と考えていました。

でも、まあ、日々起こるいろんなアレコレ、ワンコのお世話、畑のお世話だのに毎日の時間がキュウキュウと縮められ、いや、ワークショップの構成練るの大変だし、だの、プレゼン資料作るにもPower Pointってすごい基本機能しか使ったことないし、だの、せっかくだからランチで実際に発酵食を口にしていただきたいけど、メニュー考えるの大変そうだなーとか。まあ、言い訳というものはいろいろ底なしにでてくるものでして😓

が、ありがたいお友達が背中を押してくれました。
「麦みそ作ってみたい」と。

今年に入ってから、麹の学校で、師匠の丁寧な指導と惜しげもない情報提供を元に、麹造りに明け暮れていた私。安定的に2kg程度の製麹ならパニックなしにこなせる自信もつき、機材もそろってきていたので、大きな風呂敷拡げて、二つ返事でお引き受けしました😌

それが2ヶ月くらい前かなぁ。まだまだ余裕。ととりあえず麦麹を準備して、そのまま時間の経つこと1ヶ月。

麦麹の製麹@1ヶ月前

そろそろ準備にかかるかぁと、新たに麦麹を製麹し、またたく間に2週間。

麦麹の製麹@2週間前

出麹後、枯らしてます


あ、4人分の大豆、茹でておかないとなぁと1.5kgの大豆を茹でたのが10日前(麹歩合が高く、少な目の大豆でも4人分だとかなりの量になるということにこの時点で初めて気づく私)。なんとか茹で終わった大豆を冷凍庫に。
そろそろ火がついてきましたね。10日間で、プレゼン資料、メニュー構築&下ごしらえ間に合うのか😨
ギリで時間に追われないと始められない自分の性格が恨めしい…

あと1週間を切ったところで、知識のまとめと最終リサーチを開始。漬物系のキムチ、ザワークラウト、白菜の塩麴漬などの準備を開始。

が、ここで問題が…(これも他でもない、また自分の性格に起因するものですね、ハイ)  プレゼン資料にしても、メニューにしても、取捨選択ができないんですねー。あれも伝えたい、これも伝えたい、あれも食べていただきたい、これも食べていただきたい。頭に浮かんだものはすべて採用っていうか、捨てられない😅


てなことで、出来上がってみればプレゼンのページ数は30枚。様々な機関での研究結果、統計結果を切った貼ったして、アニメーションやトランジションを入れてみたりして、ま、スキルアップもでき、自分の勉強にもなったしで、そこそこ満足。
メニューも実はお出しできなかったものも(鯖の味噌漬けとか、チキンの甘酒漬焼きとか)ま、次回以降で(あるとすれば)考えついたメニューは使えるからいっか。

そして、前日の晩、できあがったプレゼンをラップトップに入れ、テレビのモニターと接続しました。で、このために買った、レーザーポインター付きのリモコンを操作してみたところ、レーザーがテレビのモニターでは反射して映らないことが発覚😱!
ポインターってなくてもいいようなものですが、やっぱりお話するにはとっても心強いツール。
で、急遽、ラップトップをプロジェクターにつなぎ、再生を壁に移して、オー繋がった~😂と安堵したのは、時すでに、みなさんお見えになる1時間ほど前!

いやぁ、ハラハラドキドキの準備編。
でも、本番は楽しかった~😊

第1部:麦味噌を仕込もう
第2部:味噌についてもっと知ろう
第3部:お待ちかねの発酵ランチ

の3部構成。

① 味噌玉作ります

② 容器に投げ入れます

③ ぎゅうぎゅう押して空気を抜いて、表面をならします。
Kさん、さすが踊りのお師匠だけあって、演じさせれば超一流、お見事😁

④ 塩蓋をして熟成させます。
今回は海藻からできた和紙を蓋に使っていただきました。

もう、第1部のレシピの説明を開始するやいなや、みなさんの手が挙がる、挙がる、質問の嵐、笑。
大豆の解凍が遅れて冷っとしましたが(なにしろ大量だったので、アイスピックでの分解が必要、さらに温め直しの鍋にも1度に入りきらず、またも冷や汗)、そこは気心知れた参加者の皆さま、温かく見守っていただき、事なきを得ました。


壁に写したパワーポイントファイル

皆さん真剣



第2部でも質問がいっぱい。私も資料作成中に、味噌の素晴らしさを再認識。いやぁ~、大豆、麹、塩と水という限りなくシンプルな食材から、これだけの高機能食品を作り上げた日本人の優秀さに改めて感服した次第です。


味噌仕込み時期別食べ比べ。10ヶ月、6ヶ月、1ヶ月
漬物4種 & セロリみそ炒め

発酵食品じゃないけど、焼きナスどうしても食べていただきたかった

酵素玄米、お味噌汁、焼きナスのたいたん、イワシのへしこ煮(糠煮)
実は、我が家の親方の出勤前に塩麴漬のサーモンを薄造りにしてもらいました😅
濁酒で乾杯
身の程わきまえず「しぼったまんま」に瓶詰

ずんだもち、甘酒と甜菜糖で甘味付け


第3部では、今私が最もはまる発酵食品「濁酒」をみなさんに試飲していただきました。今回は、濁酒を寺田本家さんの「しぼったまんま」の瓶にいれてみました(ハイ、身の程知らずです)
私自身まだまだ腕を上げなければなのですが、「濁酒つくってみたい」とか「みりん作ってみたい」とか、初級・中級編の構成にしたら?だのいろいろアドバイスいただいて、感謝感謝。
いや~かなり重い腰を上げて今回、初の「麦味噌の会」開催にこぎつけてほんとよかったな~とみなさんが帰られてからしみじみ感激にひたる私でありました。


みなさんお帰りになった後に、昨秋仕込んだSloe Gin で一人くつろがせていただきました😝


何事もチャレンジしてみないと見えないものってありますねー、で見えてきたものに対処することでさらに前に進める。これからも、この道がんばろうっと