2018年5月11日金曜日

初のイベント参加、酒フェスティバル

ちょっと時間が空いてしまいました。
去る4月29日(日)ロンドン東部 Bethnal Greenにて、日本各地の清酒や日本文化をロンドナーに紹介する初のイベント、The Japanese Sake Festival が開催されました。

余裕がなく、唯一会場の雰囲気を撮影した写真。大きな体育館のような会場

友人とのひょんな会話からフードストールの出店募集を知り、日本酒好きの集まる絶好の機会!とほぼ参加を即決。

ですが、時すでに開催の20日ほど前。自分が消費する分の様々な怪しげな麹調味料はキッチン棚にあるものの、売るだけの量はどれひとつとってもなし…

ど、どうしよう~😱  ということで、最初の一週間はひたすら製麹に励みました。米麹、麦麹、発芽玄米麹を次から次に製麹。「包み込み」と「盛り」以降の麹蓋作業は平行でという超過密スケジュール。折しも、尊敬する麹師匠の製麹プロセス動画を何度も見て、安定した麹造りの技法を習得したばかりだったので、この過程ではほぼプレッシャーも問題もなし👍

一回に仕込む量も2kgほどに増量。
麹蓋が2つあってよかった~

仕舞仕事のあと12時間引き延ばすことで、
モフモフ麹の出麹が安定してできるようになりました
出店品目は、残り二週間でなんとか準備できるものは何かということを考慮して、
  • 甘酒
  • 塩麹
  • 醤油麹
  • 三升漬
そして、せっかくなので味噌も作りたい。でも通常味噌は熟成に最低6か月。あ、そうだ、麹歩合の多い西京風味噌ならば2週間ほどで熟成すると小泉武夫先生の「丸ごと 小泉武夫 食マガジン」で読んだばかり。ん~、やったことないけど、そして仕込み量から言っても失敗は許されないけど、やっちゃえやっちゃえということで
  • 西京風味噌
を含めた5品目に決定(あとでさらに、酵素玄米甘酒を追加して6品目に。さすがに欲張りすぎましたね😅)
仕込み過程で三升漬用の生とうがらしとお醤油を購入に行った時、あ、この2つを有機にすれば、すべて有機食材になる!と気付き、今回はオーガニック食材として商品をプロモート。

そして、前から作ろうと思っていた、「倫敦・醸しダイアリー」(長いので英語ではKamoshi London)と商品紹介リーフレットや、せっかくとだからフードパッケージも作っちゃおうということで、MS Pubisher を使ったPCでのデザイン作業も敢行。これ、結構楽しい。これまで、子供たちの誕生日の招待カードとかコンサートのプログラムとかいろいろご奉仕活動で作成してきたけど、培ったスキルを自分のために使うのは考えてみたら初めて。なんか贅沢な時間だな。楽しい楽しい😄

リーフレットとフードパッケージ。監修は長女の彼氏と、末娘。家族総動員、笑
この写真は、右も左もわからない時期の我がドブロク1号の写真。
後になってこんなところで大活躍してくれるとは

商品パッケージに丸ラベルを購入。


で、甘酒は問題ないにしても、その他のSavory系、正直、当日までに熟成するかどうか微妙で超心配だったのよね。なんせ歴史的な冷春だし。
ということで、尊敬する麹師匠にここでも相談。
以下は師匠のアドバイスから:
白みそは一晩で55℃で糖化するのが通常。信州みそやコメ味噌も30℃で1ヶ月間保温などして温度操作し、分解と熟成を早める。その後冷蔵庫で乳酸菌などを増やす期間を設ける。師のサポート心強し。
ヨーグルティアのマニュアルに載っていた60℃8時間というのは、あながち眉唾ではなかったのね(ただし、60℃で加温すると、酵素力が半減してしまうそう。55℃が味噌だけにミソ、なんちゃって(オヤジだわ😅))。
ということで、味噌系、麹系調味料は、30℃強で6時間加温してプロテアーゼに働いてもらい、その後55℃に6時間加温してアミラーゼに働いてもらいました。
すると、西京味噌はいい具合に糖化してくれ、お米のよ~い香りが。麹系調味料も、その後の酵母さんの働きか、はたまた麹のなんらかの酵素の働きか、ぷくぷくで元気いっぱい。あとは冷まして落ち着かせる、となった所で残り1週間。うん、良いタイミング。

そんなこんなで、毎日ごそごそキッチンで作業をしているうちに、はや前日。
前日はドイツ在住の私が絶大な信頼を寄せる菌友さんが応援にかけつけてくれました。この菌友さん、1月のアムスワークショップで出会って以来、日々日夜問わずに発酵系のメッセージをやりとりし、実は会うのは2回目ながらも、もうまるで旧知の仲。パッケージ詰め、試食の準備しながら話の弾むこと弾むこと。そして、今回のイベント参加を決めて以来ずっといろいろと相談に乗ってくれていたので、何も言わなくても、作業の流れをすべて把握。素晴らし~。「えっと、次は~」と走り回り、パニックする私の横で、着々と準備を進めてくれたのでした。ありがたや。
そして、彼女は私が密かに濁酒の魔手と畏敬の念を抱いている生酛ドブロク造りの名人。ドイツから絞り前、絞り後の濁り酒をもって参上してくれました。夜はその濁り酒を飲みながら手巻き寿司。いや~、おいしかった。ほのかに発泡するその泡具合が、生産ものと違ってすごい自然。こんなお酒作れるようになりたいな。

前日のパッケージと試食品を並べた所。
それっぽくなってきましたよ
さて、当日。
やっぱり、発酵ってみなさんの大きな関心事なんですね~。ディスプレイの準備段階から多くの方が、何々?と足をとめてくださり、どこのお店で売ってるんですか~、どうやって食べるんですか~と興味深々。中には、麹の生態などについて質問してメモなんかもとってくださる現地のおばさまもいらして、もう普段は話過ぎちゃうからとセーブしている発酵トークが、ここで炸裂。だってせっかく聞いてくださるんだもの、回答に遠慮はいらないわよね。ということで、イベント終了時には声もガラガラ。

今回思ったのは、特に現地の方々にとっては未知の調味料。どんなものなのか試食品が命(本当はレシピなどもバイリンガルで用意すればよかったけど、そこまで手が回らず。次回の課題に)。お漬物、ディップなどいろいろな試食品を用意したなかで、イチオシの試食品が、お豆腐の塩麴漬に刻んだ紫蘇と三升漬をのっけたもの。これはホント人気高かった。口に含んだ瞬間に現地の方も日本人も目を閉じてうっとり(ごめんなさい、味噌じゃないけど、手前味噌😅)。中には足を踏み鳴らして喜んでくださるお客様も。なんか私、これが嬉しくてやってるんだな~と実感。ウケる自信を持ってからは、お客様が試食品を口に含んだ瞬間からお客様の顔を熟視熟しちゃったりして、来るぞ、来るぞ、キタ~、みたいな。
結局用意したものほとんど売り切れるという嬉しい成果。さあ、また1から麹を仕込むぞ~

当日のディスプレイ

いろんなお客様が入れ替わり立ち代わり足を止めてくださいました

前日パック詰めした西京味噌。酵母が元気良すぎてパンパンに😱


今回のイベント、テーブル面積が大きいということで、ロンドンきっての人気ビーガンレストラン、いただき繕さんとテーブルシェア。どちらの素材も動物性なしのビーガン素材ということで息もぴったり。いろんな準備品の貸し借り、試食品や商品の交換など、これも楽しかったなぁ。とっても気持ちのいい人たち。また機会があったら、次回はもっとつっこんだコラボがしたいな~


いただき繕さんと記念写真

などとつらつら考えながら帰路についた長い1日でした。

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